感染症の治療 抗菌薬を使いこなそう
日常的な診療における抗菌薬の使い方 エンピリックな抗菌薬の使い方と落とし穴 尿路感染症における抗菌薬
安田 満
1
1岐阜大学医学部附属病院 泌尿器科
キーワード:
Beta-Lactamases
,
Cephalosporins
,
Escherichia coli
,
Penicillins
,
Pseudomonas aeruginosa
,
抗感染剤
,
酵素阻害剤
,
尿路感染症
,
Enterococcus
,
Fluoroquinolones
,
細菌薬剤耐性
Keyword:
beta-Lactamases
,
Anti-Infective Agents
,
Cephalosporins
,
Enzyme Inhibitors
,
Escherichia coli
,
Penicillins
,
Pseudomonas aeruginosa
,
Urinary Tract Infections
,
Enterococcus
,
Fluoroquinolones
,
Drug Resistance, Bacterial
pp.878-883
発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008377909
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単純性尿路感染症の起炎菌はグラム陰性桿菌が大多数を占め、そのほとんどが大腸菌である。単純性尿路感染症分離菌では薬剤耐性菌の頻度が少なく、現在のところBLI配合ペニシリン系、セフェム系およびニューキノロン系抗菌薬にて治療可能である。複雑性尿路感染症の起炎菌は単純性尿路感染症と比べグラム陽性菌が増加し、大腸菌の割合が少なくなっている。複雑性尿路感染症分離菌株は薬剤耐性菌の頻度が高く、とくにニューキノロン系抗菌薬に対する耐性率は10%を超えている。複雑性尿路感染症に対する治療は尿路への移行のよい抗菌薬が推奨されるが、ニューキノロン系抗菌薬に関しては耐性菌が多く慎重に使用すべきである。
©Nankodo Co., Ltd., 2008