膵癌診療最前線 新たな抗癌薬により長期生存を目指す
局所進行膵癌の治療戦略 局所進行膵癌に対する化学療法
大川 伸一
1
1神奈川県立がんセンター 消化器内科
キーワード:
膵臓腫瘍
,
治療成績
,
Gemcitabine
,
放射線化学療法
,
生存期間
Keyword:
Pancreatic Neoplasms
,
Treatment Outcome
,
Chemoradiotherapy
,
Gemcitabine
pp.729-732
発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008338464
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局所進行膵癌に対する標準的治療については、長いあいだ論争がある。米国、日本では放射線化学療法を標準治療とする傾向が強いと考えられるが、欧州では全身化学療法を標準とすることが多かった。両者の治療を比較した無作為化試験は少なく、症例数も少なく、また結論もさまざまである。gemcitabineの登場以来、これが進行膵癌に対する標準薬となったため、局所進行膵癌にも全身化学療法が広く行われるようになった。gemcitabineを用いた放射線化学療法の試験もあるが、その方法、成績は一定ではない。放射線化学療法とgemcitabineによる全身化学療法の両者の治療成績に著明な差があるとは考えにくいが、今後は局所進行膵癌をさらに詳細に分析し、それぞれの治療に、より適した対象を見出すことが重要と考えられる。
©Nankodo Co., Ltd., 2008