膵癌の最新治療 Borderline resectable膵癌と術前化学療法
膵癌に対する術前化学療法の現状とエビデンス
阪本 良弘
1
,
有田 淳一
,
中井 陽介
,
伊佐山 浩通
,
長谷川 潔
,
國土 典宏
1東京大学 肝胆膵外科・人工臓器移植外科
キーワード:
膵切除
,
膵臓腫瘍
,
EBM
,
アジュバント化学療法
,
患者選択
,
第II相試験
,
治療成績
,
ランダム化比較試験
,
ネオアジュバント療法
Keyword:
Pancreatectomy
,
Pancreatic Neoplasms
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Treatment Outcome
,
Chemotherapy, Adjuvant
,
Clinical Trials, Phase II as Topic
,
Evidence-Based Medicine
,
Patient Selection
,
Neoadjuvant Therapy
pp.497-501
発行日 2015年5月1日
Published Date 2015/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015211903
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浸潤性膵管癌の集学的治療の一環として,術前補助療法の有効性に関する第II相試験結果の報告が集積されつつあるが,十分なエビデンスは得られていない.切除可能あるいは切除可能境界例を対象とした術前補助療法は化学放射線療法による報告が85%を占め,fluorouracil(5-FU)やgemcitabineを用いた化学療法が行われてきた.術前補助療法は手術の合併症を増加させず,切除断端やリンパ節転移の陰性率を向上させるとする報告が多い.現在,切除可能膵癌に対する術前補助化学療法の意義を明らかにするべく,本邦および欧州で第III相試験が行われている.
©Nankodo Co., Ltd., 2015