膵癌診療最前線 新たな抗癌薬により長期生存を目指す
早期膵癌を発見するための診断戦略 膵癌を疑う症状と画像診断による鑑別
戸田 信夫
1
,
佐々木 隆
,
中井 陽介
1帝京大学ちば総合医療センター 内科(消化器)
キーワード:
鑑別診断
,
膵炎
,
膵臓腫瘍
,
腹痛
,
超音波内視鏡検査
,
背痛
,
マルチスライスCT
Keyword:
Back Pain
,
Diagnosis, Differential
,
Pancreatic Neoplasms
,
Pancreatitis
,
Abdominal Pain
,
Endosonography
,
Multidetector Computed Tomography
pp.655-657
発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008338448
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膵癌の多くは発見時進行癌で予後はわるいが、腫瘍径20mm以下(pTS1)のStage Iに限ると、完治が期待できる。小膵癌には特異的症状はなく、軽度の腰背部痛、心窩部痛が唯一の症状であることが多い。腹背部に何らかの症状を訴えた症例にはUSを施行し、腫瘤、膵管拡張、嚢胞性病変など異常所見がみられたらMDCTやEUSを施行する。急性膵炎が膵癌の初発症状であることもあるので、経過中のCT,MRCPで膵管拡張、とくに十二指腸まで追跡できない膵管をみたら精査が必要である。軽微な腹部症状でもUSにてscreeningすること、急性膵炎例は膵癌を念頭に置くことが、小膵癌の拾い上げにつながる。
©Nankodo Co., Ltd., 2008