進行癌の治療戦略
膵癌の治療戦略 術前治療とR0切除をめざした後腹膜一括郭清
元井 冬彦
1
,
力山 敏樹
,
片寄 友
,
江川 新一
,
海野 倫明
1東北大学 肝胆膵外科
キーワード:
腫瘍多剤併用療法
,
後腹膜腔
,
MRI
,
膵切除
,
膵臓腫瘍
,
リンパ節郭清
,
アジュバント化学療法
,
超音波内視鏡検査
,
Gemcitabine
,
TS-1
,
マルチスライスCT
,
陽電子放射型断層撮影
Keyword:
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Lymph Node Excision
,
Pancreatectomy
,
Pancreatic Neoplasms
,
Retroperitoneal Space
,
Chemotherapy, Adjuvant
,
Endosonography
,
Positron-Emission Tomography
,
Multidetector Computed Tomography
,
Gemcitabine
pp.734-742
発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010250161
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
膵癌の予後はきわめて不良である。病期診断能は向上したが、神経叢浸潤・リンパ節転移診断にはなお改善の余地が残されている。他癌腫で有効性が示されてきた術前治療は、膵癌治療の新たな展開の一つであり、最適な治療戦略が模索されている。拡大手術は否定されたものの、進行癌に対して確実なR0切除を遂行するためには、膵局所解剖・腫瘍進展を考慮した一括郭清が有効であると考えられる。「R0切除≠根治」であり、補助療法は必須である。種々のmodalityを有機的に結合させた治療戦略のみが、治療成績の向上に寄与すると考えられる。
©Nankodo Co., Ltd., 2010