腫瘍内科診療データファイル
疾患からみる各種癌の診断・治療 呼吸器 非小細胞肺癌
岡 三喜男
1
,
矢木 真一
,
中村 洋一
1川崎医科大学 呼吸器内科
キーワード:
Cisplatin
,
肺切除
,
放射線療法
,
肺癌-非小細胞
,
Paclitaxel
,
Docetaxel
,
Gemcitabine
,
Irinotecan
,
Vinorelbine
,
胸部CT
,
すりガラス様陰影
Keyword:
Carcinoma, Non-Small-Cell Lung
,
Cisplatin
,
Pneumonectomy
,
Radiotherapy
,
Paclitaxel
,
Vinorelbine
,
Irinotecan
,
Gemcitabine
,
Docetaxel
pp.1145-1151
発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008061403
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非小細胞肺癌の実地医療では年齢中央値が70歳を超え、多くは進行癌である現状を診断と治療において考慮しておく。多列検出器型CTの普及によって、すりガラス陰影や微小結節が検出されるようになった。末梢型早期肺癌像を十分に認識し、経過観察と診断をすることが重要である。治療にあたって、標準的治療のエビデンスは全身状態良好(PS0~1)な症例を対象とした臨床試験の結果であることを認識しておく。とくに高齢者肺癌を除く日本からのエビデンスは、PS良好な70歳以下を対象としていることに注意を要する。病期によって術後化学療法の有用性が示唆されているが、本邦では抗悪性腫瘍薬の種類、投与量、安全性、併用薬の選択などの問題点があり、標準的治療として定着していないのが実状である。全身状態良好な非高齢者の初回化学療法では、cisplatinの有用性が示されている。gefitinibをはじめとするチロシンキナーゼ阻害薬の使用にあたっては、危険因子と患者の利益を十分に考慮して投与すべきである。
©Nankodo Co., Ltd., 2007