発行日 2007年11月1日
Published Date 2007/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008056099
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症例はC型肝硬変の80歳女性で、異常陰影を指摘された。血清乳酸脱水素酵素(LDH)は1388IU/Lであった。胸部X線写真、CT像で、両肺野に、び漫性に浸潤影を認めた。経気管支的肺生検で、拡張した毛細血管と思われる空隙にCD20陽性、CD45RO陰性の異型リンパ節の集簇を認め、CD34染色でこれが血管内であることを確認した。C型肝硬変合併血管内リンパ腫と診断した。プレドニゾロンを先行投与した後、ビンクリスチン単独投与を行い、腫瘍重量が減少した後にリツキシマブ、アドリアシンを順次併用した。治療中、血球減少の他、化学療法によると思われる有害事象は特に認められなかった。血清LDHは速やかに低下し、胸部X線写真でみられた異常陰影も消失した。診断後6ヵ月現在、完全緩解を維持している。
©Nankodo Co., Ltd., 2007