分子標的療法時代の白血病治療 絨毯爆撃から狙い撃ちへ
化学療法時の合併症対策 感染症対策
森 慎一郎
1
1国立がんセンター中央病院 臨床検査部細菌免疫検査室
キーワード:
Granulocyte Colony-Stimulating Factor
,
Quinolones
,
院内感染
,
抗腫瘍剤
,
好中球減少症
,
細菌感染症
,
食事
,
真菌症
,
白血病
,
感染予防管理
,
化学予防
Keyword:
Antineoplastic Agents
,
Bacterial Infections
,
Cross Infection
,
Diet
,
Leukemia
,
Mycoses
,
Neutropenia
,
Granulocyte Colony-Stimulating Factor
,
Quinolones
,
Infection Control
,
Chemoprevention
pp.292-297
発行日 2007年8月1日
Published Date 2007/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008003462
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化学療法時の感染症対策は、白血病患者の予後を左右する重大な要因である。治療の進歩に伴い、白血病患者の免疫不全の病態はより複雑化しており、個別化した対策が求められている。好中球減少時にニューキノロン系薬剤を予防内服する意義は確立している。ただし、緑膿菌などの耐性化が進行している現在、その適応は継続的に見直していく必要がある。造血サイトカインの使用については、優れたガイドラインが存在し、定期的にupdateされている。すべての医療現場で適用されるべき標準予防策の考え方は、白血病患者の感染対策においてもきわめて重要であり、その徹底が求められる。それ以上の厳重な隔離対策などは、標準予防策が徹底されたうえで考えるべきである。
©Nankodo Co., Ltd., 2007