多発性骨髄腫診療の新時代を迎えて-診断と治療に吹き込む「新しい風」 多発性骨髄腫の合併症の管理
多発性骨髄腫における感染管理
中村 裕一
1
1埼玉医科大学附属病院 血液内科
キーワード:
細菌性ワクチン
,
Dexamethasone
,
Immunoglobulins
,
ウイルス性疾患
,
危険因子
,
抗感染剤
,
好中球減少症
,
骨髄腫-多発性
,
細菌感染症
,
真菌症
,
細胞性免疫
,
予防接種
,
Bortezomib
Keyword:
Bortezomib
,
Bacterial Vaccines
,
Anti-Infective Agents
,
Bacterial Infections
,
Dexamethasone
,
Immunity, Cellular
,
Immunoglobulins
,
Multiple Myeloma
,
Mycoses
,
Neutropenia
,
Risk Factors
,
Virus Diseases
,
Vaccination
pp.287-290
発行日 2011年8月1日
Published Date 2011/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011312143
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・多発性骨髄腫(MM)において、高度の好中球減少をきたすことは少ないが、正常免疫グロブリン減少によるオプソニン化の欠如のため、肺炎や尿路感染症などの細菌感染症を起こしやすくなる。dexamethasone大量投与を含む治療では、さらに細胞性免疫の低下により、ウイルス感染や真菌感染のリスクが増大する。・近年の治療の変遷に伴い、感染症対策も変化している。bortezomib投与により、帯状疱疹併発のリスクが高まり、海外では抗ウイルス薬の予防投与が推奨されている(本邦では保険未承認)。・非活動期MMに対して、肺炎球菌ワクチンの接種が推奨されている。免疫グロブリン製剤の予防投与の有用性については確立されていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2011