肺癌生存期間延長の謎 今何が起こっている?
肺癌治療における副作用対策 感染症への対策
千場 博
1
,
藤井 慎嗣
,
杉本 幸弘
,
佐藤 絵梨
,
田中 智樹
1熊本地域医療セ 呼吸器内科
キーワード:
Granulocyte Colony-Stimulating Factor
,
抗腫瘍剤
,
好中球減少症
,
肺腫瘍
,
予防的抗菌剤投与
Keyword:
Antineoplastic Agents
,
Lung Neoplasms
,
Neutropenia
,
Granulocyte Colony-Stimulating Factor
,
Antibiotic Prophylaxis
pp.306-311
発行日 2009年2月1日
Published Date 2009/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009125138
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多くの抗悪性腫瘍薬は白血球(好中球)減少をきたし、肺癌化学療法においても致命的な感染症を併発することがある。肺癌患者は高齢者が多く、喫煙によるCOPDなど肺に基礎疾患があったり、気道狭窄・閉塞などからの感染の危険性が高く、感染症対策が肺癌薬物療法の成否を決める鍵ともいえる。とくに発熱性好中球減少症(febrile neutropenia:FN)は、oncologic emergencyとして取り扱われる。FNの発生をみたら、リスク評価を行い、徹底した診察、検査を行い、ただちにエンピリック(経験的)な抗菌薬の投与を行う。起因病原体が同定されることは少なく、ガイドラインに従い治療を行うことが大事であるが、個々の患者背景や、施設・地域での分離菌・感受性などの状況に応じた治療も重要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2009