慢性腎臓病 CKDキャンペーンをめぐる話題
CKDの治療法を個別的に考える CKDに対する食事療法
小沢 尚
1
,
但木 太
1小平北口クリニック 内科
キーワード:
腎臓疾患
,
慢性疾患
,
臨床試験
,
低タンパク食
,
アシドーシス-代謝性
Keyword:
Chronic Disease
,
Clinical Trials as Topic
,
Kidney Diseases
,
Diet, Protein-Restricted
pp.84-88
発行日 2007年7月1日
Published Date 2007/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007246392
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透析療法の普及や、腎臓病治療におけるレニン・アンジオテンシン作動薬に関する大規模臨床研究の知見が明らかになるにつれて、食事療法に期待される意義や役割も変化してきている。1990年代中ごろから現在にいたるまで、米国より定期的に発表されているMDRD studyは、低蛋白食に関する代表的な大規模臨床研究である。この研究も含め、低蛋白食の治療効果についての興味と関心が、腎機能障害進行抑制効果という点に偏っており、半世紀以上前から実証されてきた低蛋白食の、CKD4期~5期における電解質異常や尿毒症症状を改善、防止する効果についてより再認識するべきである。低蛋白食の効果は、治療を遂行する人材に強く依存するという側面があり、その治療効果を論ずる場合はこの点を念願に置くべきである。
©Nankodo Co., Ltd., 2007