リウマチ治療の新時代 治療薬を使いこなす
関節リウマチ治療薬の副作用への対処法 ニューモシスチス肺炎
針谷 正祥
1
1東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科薬害監視学
キーワード:
Methotrexate
,
Pentamidine
,
関節リウマチ
,
危険因子
,
肺炎-ニューモシスチス
,
Trimethoprim-Sulfamethoxazole
,
Etanercept
,
Infliximab
Keyword:
Etanercept
,
Infliximab
,
Arthritis, Rheumatoid
,
Methotrexate
,
Risk Factors
,
Pneumonia, Pneumocystis
,
Pentamidine
,
Trimethoprim, Sulfamethoxazole Drug Combination
pp.646-649
発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007195251
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ニューモシスチス肺炎(PCP)は、関節リウマチ(RA)の治療中に出現しうる重篤な日和見感染症である。PCP早期診断のポイントは、自覚症状(咳・息切れ)、低酸素血症の出現であり、画像診断・菌体検出・DNA検出(PCR法)・血清(1→3)β-D-glucanを用いて診断を確定する。他の肺感染症(サイトメガロウイルス肺炎・非定型肺炎)、薬剤性肺障害、RAによる間質性肺炎増悪との鑑別が重要である。TNF阻害薬使用中のPCP発症危険因子として、高齢・ステロイド薬使用・既存の肺疾患があげられる。ST合剤、pentamidine使用時には、併用禁忌薬剤、薬物相互作用、および重症副作用の発現に注意する。PCP発症の高リスク患者では、ST合剤またはpentamidineによるPCP発症予防が有効である。
©Nankodo Co., Ltd., 2007