リウマチ治療の新時代 治療薬を使いこなす
特殊な状態に対する配慮 高齢者の薬物療法
稲田 進一
1
1東京都立大塚病院
キーワード:
Methotrexate
,
関節リウマチ
,
非ステロイド系抗炎症剤
,
副腎皮質ホルモン
,
薬物動態学
,
高齢者評価
Keyword:
Adrenal Cortex Hormones
,
Arthritis, Rheumatoid
,
Anti-Inflammatory Agents, Non-Steroidal
,
Methotrexate
,
Pharmacokinetics
,
Geriatric Assessment
pp.628-631
発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007195246
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高齢発症関節リウマチ(RA)の診断はむずかしい。とくにリウマチ性多発筋痛症(PMR)との鑑別が必要である。加齢に伴う薬物動態変化を考慮した薬物治療が必要である。高齢者では慢性疾患の合併症が多く、多剤併用例が多い。薬物投与にあたっては臓器予備能低下を認識するとともに、認知能力や社会経済的な面にも配慮が必要である。高齢者RAの治療では非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)の副作用が出やすく、抗リウマチ薬も種類を考え、初期投与量を減らすなどの工夫が必要である。高齢発症RAには診断のむずかしさから、また複雑な臓器障害合併などを考慮すると、少量の副腎皮質ステロイド投与も検討の価値がある。
©Nankodo Co., Ltd., 2007