リウマチ治療の新時代 治療薬を使いこなす
特殊な状態に対する配慮 妊婦
原 まさ子
1
1東京女子医科大学附属膠原病リウマチ・痛風センター
キーワード:
関節リウマチ
,
非ステロイド系抗炎症剤
,
副腎皮質ホルモン
,
免疫抑制剤
Keyword:
Adrenal Cortex Hormones
,
Arthritis, Rheumatoid
,
Anti-Inflammatory Agents, Non-Steroidal
,
Immunosuppressive Agents
pp.632-635
発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007195247
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関節リウマチ(RA)は、妊娠可能な年齢の女性に好発する疾患である。薬物療法を治療の基本とし、多くの場合、妊娠中も何らかの薬物療法を続けることが必要となる。関節リウマチ治療に用いられる抗リウマチ薬や非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)の多くは、妊婦には使用しにくく、もっとも安全な薬は、胎盤で代謝されるprednisoloneである。妊娠時には胎児に対する自己免疫反応を抑制するという生体の免疫機構の変化から、関節リウマチ患者は一般的に病勢の改善傾向を示し、出産後は悪化する。したがって関節リウマチ患者における妊娠の要件は病状が安定し、抗リウマチ薬を使用していないことなどである。また、出産後の病状の悪化を見越した薬物療法の組み立ても重要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2007