発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007007028
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同種造血幹細胞移植後の主な非感染性肺合併症として,idiopathic pneumonia syndrome(IPS),特発性器質化肺炎(BOOP),閉塞性細気管支炎(BO)がある.IPSは移植後早期の発症が多く,移植前処置による影響(とくに全身放射線照射),免疫学的な細胞性障害,炎症性サイトカインの関与などが考えられ,急速に肺障害が進行し,予後不良である.BOOPは比較的ステロイド療法によく反応するが,減量時の再燃に注意を要する.BOは進行性に呼吸不全をきたし,在宅酸素療法にいたる症例も多い.診断には精密呼吸機能検査が有用であり,移植後定期的に検査を行い,早期発見に努める必要がある.BOをはじめとする移植後90日以降の晩期発症非感染性肺合併症(LONIPC)には慢性移植片対宿主病の関与が強く示唆され,治療は免疫抑制療法が主体である
©Nankodo Co., Ltd., 2006