症例
低ナトリウム性けいれんを呈した重症RSウイルス感染症の1例
横山 宏司
1
,
安田 真人
,
高橋 俊恵
,
古宮 圭
,
深尾 大輔
,
井上 美保子
,
池田 由香
,
原 茂登
,
儘田 光和
,
濱畑 啓悟
,
吉田 晃
,
百井 亨
1日本赤十字社和歌山医療センター 小児科部
キーワード:
Diazepam
,
胸部X線診断
,
呼吸不全
,
細気管支炎-ウイルス性
,
人工呼吸
,
低ナトリウム血症
,
輸液療法
,
RSウイルス感染症
,
けいれん性発作
Keyword:
Bronchiolitis, Viral
,
Diazepam
,
Hyponatremia
,
Respiratory Insufficiency
,
Seizures
,
Respiration, Artificial
,
Radiography, Thoracic
,
Respiratory Syncytial Virus Infections
pp.195-198
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00639.2016168053
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
日齢44女児。当科受診の3週間ほど前から咳嗽と鼻汁を認め、受診前日から活気不良・哺乳力低下が出現し、ぐったりして視線も合わなくなったため当科に紹介された。諸検査の結果からRSV感染症による細気管支炎と考え、低張液による輸液を開始した。病棟へ搬送中に無呼吸発作を2回認めた。また、数秒間持続する間代性痙攣を5分以内に3回認め、ジアゼパム投与により止痙を得た。気管内挿管、人工呼吸管理を開始し、血液検査で低Na血症(Na値117mEq/L)を認めたため3%NaCl投与と水分制限を行った。さらに痙攣再発予防と鎮静目的でフェノバルビタールとミダゾラムを投与した。入院翌日にNa値は135mEq/Lと改善した。喀痰培養でインフルエンザ桿菌(BLNAR)が検出され、セフォタキシムの投与を行った。人工呼吸管理は6日間施行し、入院13日目に退院とした。退院前の脳波検査・頭部MRIで異常は認めず、退院後も正常発達している。
Copyright © 2016, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.