発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2006016608
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サイアザイド系利尿薬は,降圧治療薬の選択肢が広がるにつれ,代謝系の副作用が過度に危険視されるなどの理由で,その使用頻度は減少し,降圧治療での相対的価値が低下している.しかし,最近の米国でのメガトライアルにおいて,心血管イベントの抑制というハードエンドポイントの評価で,サイアザイド系利尿薬は第一選択薬としてACE阻害薬やCa拮抗薬に劣ることはなく,心不全の予防では優れることが実証されている.この意味からも,利尿薬は適切な高血圧治療を行ううえで無視することのできない降圧薬である.高血圧治療で重要なポイントは,確実に目標値140/90mmHg(あるいは130/80mmHg)未満に降圧し,その血圧値を維持し続けることである.この必ずしも容易ではない目標を達成するためには,2種以上の異なるメカニズムの降圧薬の併用療法が効果・副作用の面からも望ましいし,どうしても必要である.とくに治療目標に到達できない症例では,必ず第二,第三の降圧薬として利尿薬を含めることが強く望まれる
©Nankodo Co., Ltd., 2005