発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2006016607
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潰瘍性大腸炎(UC)の原因または増悪因子として腸内細菌が注目されているが,われわれは,腸内細菌の中で,Fusobacterium varium(バリウム菌)という嫌気性菌がUCの原因または増悪因子の一つであることを発見した.同菌をターゲットとした抗菌薬多剤併用ATM療法を開発し,randomized controlled trialを施行したところ,抗菌薬投与群では,症状,内視鏡所見,病理所見ともに投与終了3~5ヵ月後,12~14ヵ月後と対照群と比べ,有意な改善がみられ,再発率も低下していた.難治性のステロイド依存性,抵抗性潰瘍性大腸炎に対しても,同療法を施行したところ,症状,内視鏡所見,病理所見と改善が認められ,多くの症例でステロイド離脱もでき,長期に寛解維持ができた.本治療法は重篤な副作用もなく,コンプライアンスも良好であり,有望な新治療法と考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005