発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2006127540
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食塩は高血圧の成因に深く関与しているが,現代社会では厳格に食塩を制限することは不可能に近い.利尿薬は食塩を排泄することにより降圧作用を発揮し,これまでに数多くの大規模介入試験により心血管イベントを抑制することが示されている.利尿薬が登場して半世紀が経過するが,当初の用量よりも,少ない量でほぼ同等の降圧効果が得られ,副作用は著減することが明らかにされている.代謝系への副作用のない利尿薬以外の降圧薬も最近では数多く用いられているが,利尿薬に比較して価格が高く,これまでのところ心血管イベント抑制効果において利尿薬に優るとの報告は皆無に近い.以上より,利尿薬はJNC7では唯一の第一選択薬とされており,わが国をはじめとする多くのガイドラインにおいても主要降圧薬に位置づけられている
©Nankodo Co., Ltd., 2006