発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2006127541
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サイアザイド系降圧利尿薬は,降圧効果,薬価,高血圧合併症,臓器障害予防について多くのエビデンスがあり,JNC7では単独の第一選択薬となっている.一方で,JNC7のもっとも有力な根拠となっているALLHATに対しては問題点も指摘され,とくに糖代謝・脂質代謝・電解質代謝・尿酸代謝など代謝性副作用が多いことも事実である.降圧効果と代謝性副作用のバランスで降圧利尿薬の評価が最終的には決まることになるが,代謝性副作用が臓器合併症に影響するには一定の時間がかかり,これら副作用をこれまでの大規模臨床試験の結果から問題がないとするのは困難で,客観的には留意せざるをえないのが現状である.したがって現時点では,降圧利尿薬に関しては,代謝性副作用を軽減する降圧薬との併用下の使用が現実的で適切と考えられる
©Nankodo Co., Ltd., 2006