発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005108054
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非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)は鎮痛,解熱,抗炎症作用を期待し,膠原病の治療,とくに関節リウマチ(RA)では第一選択薬として頻用される.しかし,NSAIDsは従来考えられていたほど安全な薬剤ではなく胃腸障害,肝障害,腎障害などの副作用に注意する必要がある.選択的COX-2阻害薬は炎症,痛みなどに関与するCOX-2のみを阻害し,生体保護に働くCOX-1を阻害しない理想的なNSAIDsとして開発された.従来のNSAIDsと比較して,有効性は同等であり,胃潰瘍などの消化器系副作用が有意に少なく,RA治療のガイドラインでも推奨Aとされている.しかし,長期投与において,心血管系イベントの増加がコキシブ系の選択的COX-2阻害薬で報告され,その安全性についての再検討が必要となっている.NSAIDsの使用は個々の症例に応じた薬剤選択が必要である
©Nankodo Co., Ltd., 2005