発行日 2002年7月1日
Published Date 2002/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2002259717
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26歳女.11歳時にバセトウ病を発症し,いったんは寛解していたが,成人後に流産(13年後)・出産(15年後)を契機に無痛性甲状腺炎を繰返した.2度とも,無治療で経過観察したところ,一過性の甲状腺機能低下症を合併した後,TSHが正常範囲に戻った為,無痛性甲状腺炎と診断した.バセトウ病加療中止後,10年以上も寛解を続けていた症例から無痛性甲状腺炎の発症は稀と考えられた.完全寛解していると思われる症例であっても,女性ホルモンの変動や,妊娠・出産等を契機に,潜在性の自己免疫性甲状腺疾患が再び顕在化することがある為,注意深い観察が必要である
©Nankodo Co., Ltd., 2002