発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2006131521
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62歳男.畑仕事中,体のふらつきが生じ安静にしたが欠伸,眠気を訴えた.刺激を加えないとすぐ眠るが,時々意識が戻り会話可能という特異な意識障害がみられた.腱反射は減弱し,病的反射は認めず,左上下肢は自発的な運動が少なく,Baree徴候陽性であった.血液検査で糖尿病を認め,頭部単純CTでは異常は認めなかったが,脳梗塞発症が強く疑われた.灌流CT(PCT)では脳血液量(CBV)は減少せず,中脳右側と両側視床内側で平均通過時間(MTT)が延長し,脳血流量(CBF)も同部位で減少していた.頭部MRIで新たな梗塞巣が中脳右側に判明し,冠状断像では傍正中視床梗塞が第三脳室~背外側に向かって伸びる蝶形様の梗塞として描出された.アルガトロバンなどで治療,抗血小板薬も併用したが,左片麻痺が増悪し,両側性垂直注視麻痺,右眼瞼下垂,右眼外転位,内転障害が出現し右動眼神経麻痺と思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2006