発行日 2002年7月1日
Published Date 2002/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2002271048
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59歳女.頻回の嘔吐を主訴とし,体重減少が進行していた.腹部単純X線像と腹部超音波検査から上腸間膜動脈症候群を疑い,小腸造影検査を行ったところ,十二指腸水平部に上腸間膜動脈による直線的断裂像と口側の拡張が認められた.上腸間膜動脈症候群の原因として小腸疾患の可能性も考え,引き続き小腸造影を施行したところ,Treitz靱帯から約15cm肛門側の空腸に全周性の狭窄と口側の拡張を認めた.狭窄部が慢性的な嘔吐の原因と考え,空腸切除が施行され,病理組織学的に瀰漫性大細胞性Bリンパ腫と診断された.入院後から高カロリー輸液と分食を行い,上腸間膜動脈症候群による高位イレウス症状は消失し,体重も次第に増加した.術後,CHOP療法を行い,10ヵ月後の現在,再発は認められない
©Nankodo Co., Ltd., 2002