経験と考察
転移性脊椎腫瘍に対する最小侵襲脊椎安定術の治療経験
森本 安彦
1
,
岩田 栄一朗
,
重松 英樹
,
小泉 宗久
,
城戸 顕
,
田中 康仁
1奈良県立医科大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
MRI
,
手術創感染
,
脊椎固定術
,
脊椎腫瘍
,
麻痺
,
アジュバント放射線療法
,
外科的減圧
,
最小侵襲手術
,
重症度指標
,
治療成績
,
病勢悪化
,
椎弓根スクリュー
Keyword:
Magnetic Resonance Imaging
,
Radiography
,
Paralysis
,
Spinal Fusion
,
Spinal Neoplasms
,
Surgical Wound Infection
,
Severity of Illness Index
,
Treatment Outcome
,
Decompression, Surgical
,
Radiotherapy, Adjuvant
,
Minimally Invasive Surgical Procedures
,
Disease Progression
,
Pedicle Screws
pp.1049-1052
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017399262
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当院で転移性脊椎腫瘍に対し最小侵襲脊椎安定術(MISt)を行った15例(男性7例、女性8例、手術時平均年齢62.2歳)の治療成績について検討した。平均術後観察期間は12.0ヵ月、責任病巣は胸椎が10例、腰椎が4例、胸椎+腰椎が1例であった。その結果、固定椎間数は平均4.1椎間で、4例に除圧術を併用した。平均手術時間は111.8分、平均術中出血量は26.4mlであった。6例は術前にFrankel分類grade D以上の麻痺があり、術後に麻痺が改善したものは2例であった。一方、9例は術前に麻痺を認めず、うち8例は術後も麻痺を生じることなく経過し、麻痺が出現した1例は原疾患の増悪に伴うものであった。合併症は創部表層感染を1例で認めたが、片側のみインストゥルメントを抜去して治癒した。術後放射線治療は9例に施行され、照射開始までの術後平均期間は17.2日であった。
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