問題点の検討
Spaghetti wristの治療中に遅発性に発生した手内筋阻血性拘縮
小泉 雅裕
1
1新潟県立中央病院 整形外科
キーワード:
内固定法
,
骨ワイヤー
,
再手術
,
自殺未遂
,
手首外傷
,
虚血性拘縮
,
短母指屈筋
Keyword:
Bone Wires
,
Fracture Fixation, Internal
,
Suicide, Attempted
,
Reoperation
,
Wrist Injuries
,
Ischemic Contracture
pp.47-51
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017306978
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39歳男性。自殺企図で左手関節掌側を包丁で切り、救急搬送された。初診時、左手関節部と手掌に横切された開放創があり、自動指屈曲が不能で、拇指・示指・中指には知覚鈍麻がみられた。Spaghetti wristと考え、緊急手術が行われた。しかし、術後、手指・拇指の動きが悪く、掌内拇指の状態となった。また、手指はMP関節で屈曲、IP関節で伸展の拘縮が進み、内在筋プラス拘縮状態であった。手内筋阻血性拘縮と診断され、拘縮解離手術が施行された。術後1年で掌側外転、橈骨外転はほぼ正常に近く、指腹つまみも可能となった。示指~小指は内在筋マイナスポジションをとることができるようになり、指屈曲はfull rangeで、指伸展はMP関節の伸展屈曲が可能となった。知覚の回復はSemmes-Weinsteinモノフィラメントテストで紫であった。
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