臨床室
舟状骨骨折術後偽関節の1例
森澤 妥
1
,
吉田 篤
,
林 俊吉
,
加藤 裕幸
,
尾崎 正大
1国立病院機構埼玉病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
偽関節
,
骨折
,
内固定法
,
骨ねじ
,
骨ワイヤー
,
手首外傷
,
舟状骨(手)
,
体内埋込み具の除去
Keyword:
Bone Screws
,
Bone Wires
,
Fracture Fixation, Internal
,
Radiography
,
Pseudarthrosis
,
Wrist Injuries
,
Device Removal
,
Scaphoid Bone
,
Fractures, Bone
pp.1277-1280
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014009493
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は24歳男性で、サッカー中に転倒して左手関節を受傷し、近医にて舟状骨骨折の診断で手術を2回受け、その後転勤のため当院紹介となった。初診後2ヵ月の単純X線ではスクリューが遠位に突出し、その後もスクリューの逸脱が進行し、嗅ぎタバコ窩における疼痛の増強もみられた。舟状骨骨折術後偽関節と診断し、初回術後半年で再々手術を施行した。本例では末梢骨片が大きく転位していたこと、また末梢骨片に骨孔が開いていなかったことから、骨釘を近位骨片の骨孔を塞ぐこと、舟状骨の短縮防止に用いた。また、Kirschner鋼線とスクリューで固定したが、スクリューは十分な固定性を得るために元のAcutrak screwとは別方向に刺入した。術後経過は良好で、術後14ヵ月で骨癒合が得られ、Mayoスコアはexcellentであった。
©Nankodo Co., Ltd., 2013