経験と考察
生物学的製剤切り替えの治療成績 エタネルセプト無効例を対象として
霜村 耕太
1
,
北村 公一
,
奴賀 賢
,
佐藤 攻
,
山下 敏彦
1函館五稜郭病院 整形外科
キーワード:
関節リウマチ
,
生物学的製剤
,
後向き研究
,
治療成績
,
Etanercept
,
Adalimumab
,
Tocilizumab
,
Kaplan-Meier法
,
患者重症度
Keyword:
Etanercept
,
Adalimumab
,
Arthritis, Rheumatoid
,
Biological Products
,
Retrospective Studies
,
Treatment Outcome
,
Kaplan-Meier Estimate
,
Patient Acuity
,
Tocilizumab
pp.111-115
発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017143372
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関節リウマチの治療に対してエタネルセプトが無効であった53例を対象とした。53例中、トシリズマブ(TCZ)を28例、アダリムマブ(ADA)を25例に導入した。TCZが導入された28例中で継続できたのは23例(82.1%)、ADAが導入された25例中で継続できたのは14例(56%)であった。TCZの中止理由は、患者希望1例、感染3例、無効1例、ADAの中止理由は、投与時反応1例、無効10例であった。男女比はADA群18%、TCZ群4%、年齢は59.7±12.0歳、59.9±11.8歳であった。2剤目の導入か3剤目の導入かの比較では、2剤目の割合はADA群76%、TCZ群で39%とADA群で有意に高く、3剤目での導入はTCZ群が有意に高かった。前治療の効果の有無に有意差はなかった。開始時DAS28-CRP、CDAIともにTCZ群で有意に高かったが、12週以降は継時的に低下し、12週、24週、54週で両群に有意差はなくなった。MMP-3値は、開始時、12週でADA群が低い傾向があったが。24週以降は有意差はなかった。寛解達成率はADA群32%、TCZ群57%で、TCZ群で有意に高かった。
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