臨床室
筋力トレーニングにより生じた両側上腕部骨化性筋炎の1例
中島 三郎
1
1水俣市立総合医療センター 整形外科
キーワード:
筋炎-骨化性
,
拘縮
,
スポーツ障害
,
肘関節
,
筋力増強訓練
,
上腕筋
,
関節角度測定
Keyword:
Athletic Injuries
,
Contracture
,
Elbow Joint
,
Myositis Ossificans
,
Arthrometry, Articular
pp.1347-1349
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017097313
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15歳男児。筋力トレーニングとして鉄アレイを用いて両肘関節の屈伸運動を開始したところ、開始1ヵ月後より徐々に伸展制限が増強したため、発症約1ヵ月後に受診となった。初診時、肘関節ROMは自動・他動とも右-75°/135°、左-105°/132°と高度の屈曲拘縮が認められた。単純X線およびCT所見より両側上腕部骨化性筋炎と診断し、スポーツや関節ROM訓練を行わないよう指導して経過観察したところ、肘関節のROMは徐々に改善し、右は初診後6週で、左は6ヵ月で両側+5°/135°とROM制限が軽減した。単純X線で骨化性筋炎は両側とも初診後約6ヵ月で消失を認め、スポーツを許可した。初診後2年7ヵ月の時点で、肘関節のROM制限や疼痛は認めず、筋力も正常であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2016