臨床室
下腿外傷後に発症した槌趾変形に対し後足部内視鏡下手術を行った1例
小黒 大輔
1
,
高尾 昌人
,
宮本 亘
,
三木 慎也
,
河野 博隆
1帝京大学 整形外科
キーワード:
脛骨骨折
,
骨折
,
足指関節
,
内視鏡法
,
腓骨
,
槌状足指
,
関節角度測定
,
腱切り術
,
長母指屈筋
Keyword:
Endoscopy
,
Fibula
,
Tibial Fractures
,
Toe Joint
,
Hammer Toe Syndrome
,
Fractures, Bone
,
Arthrometry, Articular
,
Tenotomy
pp.1054-1057
発行日 2016年9月1日
Published Date 2016/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016403083
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20歳男。左足関節、母趾および第2趾の背屈制限を主訴とした。約1年前に金属塊が左下腿に直撃して受傷し、前医で左脛骨・腓骨遠位骨幹部開放骨折(Gustilo分類type I)の診断のもと手術(脛骨:髄内釘固定、腓骨:プレート固定)を受けていた。左足関節の自動ROMは背屈0°、底屈45°であった。左足関節中間位で左母趾趾節間関節と第2趾遠位趾節間関節が屈曲して槌趾変形を呈し、他動伸展が不可能であった。左足関節を底屈していくと、左母趾と第2趾の槌趾変形が矯正された。MRIのT1、T2強調水平断像において骨折部周囲で長母趾屈筋(FHL)がやや不整であった。左脛骨・脛骨遠位骨幹部開放骨折後のFHL癒着による左母趾および第2趾槌趾変形と診断した。鏡視下にFHL腱を切離したところ、足関節は他動的に10°まで背屈可能となり、その肢位で母趾と第2趾の他動背屈が可能になった。術後2年、左母趾と第2趾の自動背屈が可能になった。
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