臨床室
腓腹筋筋膜内に進展したガングリオンの1例
田村 嵩
1
,
鈴木 賀代
,
安田 剛敏
,
渡邉 健太
,
金森 昌彦
,
木村 友厚
1富山大学 整形外科
キーワード:
ガングリオン
,
筋疾患
,
筋膜
,
MRI
,
下腿筋
,
筋膜切開術
Keyword:
Fasciotomy
,
Fascia
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Muscular Diseases
,
Muscle, Skeletal
,
Ganglion Cysts
pp.446-449
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016298092
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58歳女性。右下腿近位部に無痛性の腫瘤を自覚し、徐々に増大してきたため著者らの施設へ受診となった。所見ではMRIで腓腹筋内に嚢胞性病変を認め、穿刺吸引でゼリー状の粘液を採取したところ、病理組織学的にガングリオンであった。腫瘤は吸引後、いったん縮小したが、徐々に再増大したため手術目的で入院となった。入院時のMRI前額断像では腫瘤はT1強調像にて低信号、T2強調像にて高信号を呈していた。一方、前額断像および横断像ともに、腫瘤は細い索状構造に伴い腓腹筋内側頭の筋膜内に存在し筋と接していた。内容物の穿刺所見と合せ、腓腹筋内または筋膜に生じたガングリオンと考え、切除術を行なった。その結果、病理組織学的に腓腹筋筋膜内に進展し被包化したガングリオンと最終診断された。目下、術後4ヵ月経過で再発はみられていない。
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