臨床室
会陰部に発生した腸管外消化管間質腫瘍の1例
関田 哲也
1
,
渡部 逸央
,
須佐 美知郎
,
中山 ロバート
,
戸山 芳昭
,
中村 雅也
,
松本 守雄
,
森岡 秀夫
1慶応義塾大学 整形外科
キーワード:
Gadolinium
,
会陰
,
MRI
,
生検
,
軟部組織腫瘍
,
免疫組織化学
,
Imatinib
,
腎機能障害
,
Extragastrointestinal Stromal Tumor
Keyword:
Imatinib Mesylate
,
Biopsy
,
Immunohistochemistry
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Perineum
,
Soft Tissue Neoplasms
,
Renal Insufficiency
,
Gadolinium
pp.450-453
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016298093
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85歳女性。3年前より右肛門周囲に無痛性の腫瘤を自覚、今回、誘因なく同部位の疼痛を生じたため近医を受診後、精査加療目的で著者らの施設へ紹介となった。所見では会陰部右側皮下に3cm大の弾性硬で、可動性のある腫瘤が認められた。また、CTでは会陰部右側皮下に3.7×3cm大の腫瘍を認め、MRIでは会陰部右側皮下脂肪織~直腸周囲にT1強調像で低信号、T2強調像で高信号の、ガドリニウムにより均一に造影される腫瘍が確認された。以上より、本症例は会陰部右側皮下に発生した軟部腫瘍と診断され、切除生検を行った。その結果、病理組織学的に腸管外消化管間質腫瘍と確定診断され、術後はイマチニブメシル酸塩内服による補助療法を開始した。だが、腎機能障害が出現し、投与は開始6ヵ月で中止した。目下、術後3年6ヵ月経過するも局所再発や遠隔転移は認められていない。
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