問題点の検討
肢体不自由児施設における骨折の現状
成田 亜矢
1
,
高野 満夫
,
井田 英雄
1山形県立こども医療療育センター 整形外科
キーワード:
経腸栄養
,
下肢外傷
,
抗けいれん剤
,
骨折
,
上肢外傷
,
後向き研究
,
障害児
,
障害児入所施設
,
骨密度維持剤
,
体幹
,
患者重症度
,
骨折-多発性
,
実態調査
Keyword:
Fractures, Multiple
,
Anticonvulsants
,
Arm Injuries
,
Enteral Nutrition
,
Leg Injuries
,
Retrospective Studies
,
Disabled Children
,
Fractures, Bone
,
Bone Density Conservation Agents
,
Patient Acuity
,
Torso
pp.550-553
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016299858
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1992年1月~2014年5月までの間に著者らのセンターで経験した骨折27例について検討した。その結果、1)基礎疾患は遺伝・代謝性疾患が4例、脳性麻痺・脳炎後遺症などの中枢性疾患が20例、神経・筋疾患が3例であった。2)GMFCS分類ではレベルIが2例、レベルIIが1例、レベルIVが5例、レベルVが19例と運動能力の低い例が多かった。3)骨折イベント数は46例で、骨折部位は51ヵ所であった。受診時年齢は19歳以上が14例と最も多かった。また、受傷部位は上肢8ヵ所に対して下肢41ヵ所と上肢の約5倍であり、右側が22ヵ所、左側が27ヵ所と左右差はなかった。4))受傷原因は不明が30例、車椅子やカーシートからの転落が6例、打撲が3例の順に多かった。一方、受診期間は当日~翌日が20例、2日~1週間以内が12例、1ヵ月以内が6例、1ヵ月以上が1例、不明が7例であった。5)経時的に複数回骨折した9例中8例(88.9%)では抗てんかん薬を内服していた。尚、骨折例全体では12例(44.4%)で経管栄養を利用しており、経時的多発骨折例内では4例(44.4%)で比率は同率であった。
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