発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005275572
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1973~2003年に治療を行った floating elbow(同側上腕骨・前腕骨の複合骨折)13例の成績を報告した.男性10例,女性3例,受傷時年齢21~80歳(平均46歳),患側は右7例,左6例,Rogers分類はgroup 1(肘関節部に骨傷を認めない)7例,group 2(同部に骨傷を認める)6例であった.橈尺骨骨幹部に開放骨折を認め挫滅が高度な1例に受傷当日デブリドマンとKirschner鋼線(K鋼線)による髄内固定を行い,ほかの4例は受傷当日はデブリドマンのみとし,後日プレートあるいはK鋼線による骨接合術を施行した.骨癒合は全例で得られ,癒合までの期間は上腕骨が平均93日,前腕骨が平均89日であった.肘関節可動域は平均-18°~126°で軽度の伸展制限を認めた.2例で追加手術を要し,1例は前腕骨のcross unionにより著しい回旋制限を認めたもの,もう1例は術後肩関節拘縮を生じた症例であった.治療後にADL障害を認めたものが5例あり,運動時の肘痛3例,肩関節可動域制限による洗髪動作困難1例,ふすまの開閉困難1例であった
©Nankodo Co., Ltd., 2005