発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007037988
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70歳男。突然腰痛が出現し、体動困難となり受診した。腰椎X線でL4/L5椎間にガス像を認めたが、このときは真空現象などによるガス像と考えた。血液検査で白血球数・CRPの高値を認め、化膿性椎間板炎などを疑ってセフォチアム2g/日の点滴静注を開始した。第2病日に両下肢痛、悪寒、戦慄、意識障害などが出現し、白血球数とCRPは著明に上昇した。敗血症性ショックと考え、血液培養を行うとともに、抗生剤をイミペネム/シラスタチンナトリウム(IPM/CS)1g/日に変更した。血液培養の結果Clostridium perfringensが陽性であった。第5病日のCT検査でガス像が硬膜外腔および腸腰筋内に拡大しているのが認められた。抗生剤をベンジルペニシリンカリウム(PCG)1200mg/日に変更し、第6病日に手術(L4椎弓切除、L4/L5椎間板掻爬、両側腸腰筋切開)を施行した。手術後も炎症所見の改善はなく、第9病日にPCGを2400mg/日に増量し、クリンダマイシン1800mg/日を追加した。第14病日にIPM/CS 2g/日に変更し、高気圧酸素療法目的に他院へ転院となった。高気圧酸素療法は13日間行われた。第30病日に抗生剤投与を終了し、第47病日に安静解除となった。術後1年の現在、感染の再燃は認めていない。
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