発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013274352
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症例は17歳女子で、12歳時に誘因なく左膝痛と腫脹が出現し、当初関節血腫は年1回程度のため経過観察した。しかし、16歳時に数ヵ月ごとに関節血腫と疼痛が出現するため、手術のため入院した。左膝関節に腫脹があり、膝蓋腱外側に腫脹と圧痛が認められたが熱感や膝蓋跳動はなく可動域は0°~140°であった。半月板徴候や不安定性はなかった。左膝関節単純X線では軟部陰影の膨隆を認めるものの、内部に石灰化像はなかった。皮膚血管腫や脚長差はなく血液・生化学検査および凝固能に異常はなかった。MRIで膝蓋下脂肪体にT1強調画像で筋肉と等信号、T2強調画像で筋肉と等~高信号が混在する30×17×15mmの腫瘤が認められた。カラードプラエコーでは腫瘤内に明らかな血流はなく栄養血管も描出されなかった。以上より色素性絨毛結節性滑膜炎(PVS)を疑い手術を施行した。病理組織所見から海綿状の関節内血管腫と確定診断した。
©Nankodo Co., Ltd., 2013