発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013274351
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症例は14歳男子で、体育の授業で倒立前転の着地に失敗し、マットに臀部を強打し、両股関節痛のため体動困難となり救急搬送された。両股関節伸展位を保持していた。股関節の自動屈曲は両側とも疼痛のため不可能であったが他動的には疼痛なく屈曲可能であった。単純X線で両股関節に明らかな骨傷は認めなかった。単純MRIで両側腸骨窩に右80×25mm、左70×20mmのT1強調画像で低~等信号、T2強調画像で内部に一部等信号を含む高信号の紡錘状病変が認められた。単純CTでは腫脹した腸骨筋の内部にMRIで描出されたものと同様の腫瘤像が認められたが腸骨筋との境界は一部不明瞭であった。以上より両側腸骨窩血腫と診断した。疼痛が強かったため入院の上、床上安静とした。疼痛は徐々に軽快し、受傷後9日で両股関節自動屈曲が可能となった。受傷14日安静を解除し、疼痛なく歩行器歩行可能なった。受傷後16日MRIで血腫の縮小傾向を認め受傷後18日退院し以降外来通院で経過観察を行った。
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