発行日 2009年12月1日
Published Date 2009/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010089973
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肘関節後外側回旋不安定症の3例を報告した。症例1(18歳男)は左肘関節痛を主訴とし、MRIのT1強調像で外側側副靱帯(LCL)遠位部に断裂像を認めた。手術は弛緩したLCL複合体を縫合糸アンカーを用いて引き上げ、外側上顆に縫着固定した。症例2(75歳女)は左肘関節脱臼を主訴とし、X線で橈骨頭の後方脱臼を認め、MRIのT2強調像ではLCL起始部に高信号を認めた。内反ストレス撮影像では腕橈関節の著明な開大を認めた。手術は剥離したLCL複合体および伸筋群をfiber wireを用いて外側上顆に引き上げ、スクリューおよびワッシャーで固定した。症例3(21歳男)は右肘脱臼感を主訴とし、X線で右外側上顆の剥離骨折を認め、MRIのT2強調脂肪抑制像ではLCL遠位部に信号強度の増加を認めた。手術は退縮したLCL複合体に長掌筋腱を編み込み縫合し、一方は剥離骨片と共に外側上顆にスパイクワッシャーおよびスクリューで固定し、もう一方は伸筋群に固定した。3例とも術後経過は良好で、JOAスコアは平均97.3/100点、後外側回旋不安定症テストは陰性で、ADLにも問題はない。
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