発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007153049
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下肢人工関節置換術の際、術前下肢静脈エコーにより血栓・ヒラメ筋静脈拡張の有無を確認し術後の予防的抗凝固療法の適応を決めるプロトコールに可溶性フィブリンモノマー複合体(SF)などの測定を追加しその有用性を検討した。対象は85関節(男性14関節、女性71関節、平均年齢69.2歳)であった。予防的抗凝固療法は31.8%に行い、全手術中23.5%に術後エコーで新たな深部静脈血栓症(DVT)発生を認めた。初回人工股関節全置換術39関節(平均年齢60.4歳)では8例に予防的抗凝固療法を行い、予防群でのDVT発生率は非予防群より低かった。一方、初回人工膝関節全置換術34関節(平均年齢65.0歳)では17例に予防的抗凝固療法を行ったが、予防群のDVT発生率は非予防群より高かった。また、術翌日のSFのカットオフ値を15μg/mlとした際のDVT検出感度は84.6%、特異度93.6%であり、DVT発生の早期スクリーニングとしての有用性を認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007