発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008178572
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
67歳男。2年前に両側小趾中足趾節関節部足底の胼胝形成があり、歩行時に同部の疼痛を訴えた。小趾の中足骨短縮斜め骨切り術を施行し、疼痛は消失していたが、母趾と小趾の足底の胼胝の再発および中足部痛が出現した。荷重時X線像ではMeary角14°、calcaneal pitch 28°、横倉値で凹足傾向を認めた。鉤爪趾変形はなかった。保存的治療は無効で、疼痛も増強したため手術を施行した。外側の腓骨筋腱鞘の後方に5cmの皮切を加え、足底の踵骨棘をできるだけ切除し、足底腱膜を完全に切離した。Dwyer法に準じ、腓骨筋腱滑車の底側を通るように8mm幅のlateral closed wedgeで骨切りを加えた。更にSamiloson法の変法として、8mm上方へスライドした。固定には6.5mmの中空スクリュー2本を使用した。術後7ヵ月で、Meary角12°、calcaneal pitch 20°となり、凹足変形は改善し、胼胝は完全に消失した。歩行時の疼痛もなく、日常生活動作は著明に向上した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008