発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013026111
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全身麻酔下脊椎手術症例1561例のうち術後に脳梗塞を発症した4例(男性3例、女性1例:平均年齢65歳)について検討した。4例は高血圧、糖尿病、心筋梗塞の手術歴、脳梗塞の既往などの危険因子を有し、高血圧、糖尿病は3例、脳梗塞の既往および抗血小板薬の内服は2例で合併していた。術中出血量は平均値よりやや多く、周術期には十分な輸液が必要であると考察した。脳梗塞発症は意識低下、片麻痺および言語障害で始まり、発症時期は術後9時間、術後2日、術後4日、術後8日であった。急性期には全例に抗凝固療法を行わず、3例に脳保護薬を投与した。退院時、意識低下の1例と片麻痺および言語障害で発症した2例は歩行可能となり、1例は失語および右完全麻痺のため車椅子で退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012