発行日 2001年10月20日
Published Date 2001/10/20
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2002107775
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血液透析患者79例94手術(男49例,女30例,平均58.7歳).周術期の合併症は下血・消化管潰瘍が5例で,うち3例に緊急開腹術を行い,既往潰瘍の再発は1例であった.投与薬剤による意識消失が5例で,不整脈を起こした3例のうち2例は心房細動,発作性心室頻拍の為ペースメーカー挿入となった.他に手術後の頸部硬膜外血腫による四肢麻痺,抗生物質による偽膜性腸炎,創感染を各1例に認めた.周術期に心筋梗塞,大量出血によるショック,高カルシウム血症を起こした3例は死亡した.全例の平均手術時間は199.6分,術中出血量は691.0gであった.特に出血量の多かったのは胸椎及び腰椎破壊性脊椎関節症に対してインスツルメンテーションを使用した13手術で,股関節の人工関節置換術も多かった.術後出血量が500gを越えたのは16手術であった.術中・術後の出血による低血圧に対し,昇圧薬を使用したのは延べ32手術で,逆に高血圧となり降圧薬を使用したのは7手術であった
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