投稿論文 症例集積研究
脊椎手術後せん妄発症に関与する術前因子の解析
塚本 昇
1
,
鈴木 英雄
,
藤田 尚
,
門井 雄司
1慶友整形外科病院 麻酔科
キーワード:
病院診療科
,
危険因子
,
車椅子
,
催眠剤と鎮静剤
,
術後合併症
,
整形外科
,
脊椎疾患
,
せん妄
,
経口投与
,
貧血
,
前向き研究
,
年齢因子
,
腎機能障害
,
多数薬剤投与
,
ストレッチャー
Keyword:
Age Factors
,
Risk Factors
,
Spinal Diseases
,
Anemia
,
Administration, Oral
,
Hypnotics and Sedatives
,
Wheelchairs
,
Prospective Studies
,
Postoperative Complications
,
Delirium
,
Polypharmacy
,
Stretchers
,
Renal Insufficiency
,
Orthopedic Procedures
pp.1059-1064
発行日 2021年10月10日
Published Date 2021/10/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2022003871
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脊椎手術における術後せん妄発症と術前因子との関係を1年間の脊椎手術患者1,020名において症例集積研究を実施した。術前因子としては、患者カルテから各因子(内服薬数、高血圧、糖尿病、心臓病疾患、脳血管障害、以前の入院においてせん妄の既往、認知症、聴覚・視覚障害、精神疾患、睡眠薬使用、入院時におけるストレッチャーまたは車椅子での入院、肝機能異常、腎機能低下、術前貧血、電解質異常)を抽出した。せん妄の判定はせん妄評価法(Confusion Assessment Method:CAM)短縮版ワークシートを元に判定した。術後12名[男性:7/635(1.1%)、女性:5/385(1.3%)]にせん妄発症を認めた(発症率:1.18%)。術前因子では年齢、内服薬数、以前の入院においてせん妄の既往、睡眠薬の使用、車椅子またはストレッチャーでの入院、腎機能低下、貧血に有意差を認めた。多変量解析では、年齢(オッズ比2.0、P=0.03)、以前の入院においてせん妄の既往(オッズ比2.3、P=0.03)に有意差を認めた。術前にせん妄発症関連因子を解析することは、周術期管理を工夫することで術後せん妄発症の予防につながる可能性がある。
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