発行日 2012年7月1日
Published Date 2012/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012359098
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28歳男性。フットサル中に左膝を軽度屈曲位で外反し受傷、左膝痛を主訴に受診となった。MRIより左膝前十字靱帯(ACL)損傷および内側半月板(MM)損傷と診断され、ACLに対しては半腱様筋腱を用いた解剖学的2束再建術を、またMMに対してはin-side-outによる縫合術が行われた。その結果、術後1日目より発熱ほか左膝の疼痛、熱感、軽度膝蓋跳動が持続したため術後感染を考慮し、抗生剤の投与が行なわれた。しかし、症状の改善はなく、膝関節鏡と培養所見にて術後感染が疑われ、鏡視下洗浄ならびに滑膜切除術が行われるも発熱は持続した。以後、初回手術から5週の時点で成人発症Still病の診断基準による大項目4項目中3項目(発熱、関節症状、定型的皮疹)、小項目4項目中3項目(リンパ節腫脹、肝機能異常、リウマトイド因子陰性と抗核抗体陰性)、参考項目(血清フェリチン著増)を満たしたことから、成人Still病と確定診断され、プレドニゾロン内服を開始したところ、速やかに解熱し、寛解が得られた。
©Nankodo Co., Ltd., 2012