発行日 2012年6月1日
Published Date 2012/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012294306
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症例1は71歳女性で、関節リウマチ(RA)のため6年前から通院中で、右手のしびれ、手指の屈曲障害が出現した。理学所見、末梢神経伝導速度検査より右手根管症候群、右母指~小指のばね指と診断し、関節鏡視下手根管開放術の後、母指~小指のA1プーリー切開術を行ったが、環指のみ弾発現象が改善しなかった。A2プーリーでの狭窄を考え展開したところ、遠位で深指屈筋腱(FDP)腫大と狭窄所見を認め、追加切開し弾発現象は消失した。症例2は64歳女性で、RAにより6年前から通院中で、左示指の屈曲障害が出現した。超音波ではA2プーリーの遠位部で屈筋腱の腫大を認め、ばね指の診断でA2プーリー遠位部を展開し膜性腱鞘を切開したところ、FDPの腫大を認め、示指の屈曲により腫大部はA2プーリー遠位部に引っかかっていた。A2プーリー遠位から近位に向かい弾発現象が消失するまで切開した。術後両症例とも症状は改善し、弓づる形式、近位指節間関節の拘縮はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2012