発行日 2011年3月1日
Published Date 2011/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011143732
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症例1:52歳男。誘因なく肩甲部痛を自覚し、その後Frankel分類Bの四肢麻痺を来たした。発症当日の頸椎MRIに異常はなく、発症後2日の矢状断像でC4~C7にかけて脊髄内にT2高信号域を認め、横断像では脊髄前方にT2高信号域を認めた。症例2:72歳男。突然の背部痛の後、Frankel分類Cの両下肢麻痺を来たした。発症当日および2日後の胸椎MRIに異常はなく、発症後1週の矢状断像でTh6~Th8にかけて髄内にT2高信号域を認めた。また、Th10椎体後方にもT2高信号域を認めた。発症後3週でT2高信号域がより明瞭になり、T1強調矢状断像でTh6~Th8の脊髄の腫大とTh10椎体後方の低信号域を認めた。症例3:73歳女。突然に腰痛とFrankel分類Bの両下肢麻痺を来たし、発症当日の胸椎MRIに異常はなく、発症後2日にTh11、Th12レベルに髄内T2高信号域を認め、横断像で髄内全体にT2高信号域を認めた。3例とも脊髄梗塞と診断してソルメドロールによるステロイド療法を行い、症例1は変化なかったが、症例2、3はFrankel分類Dに改善した。
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