発行日 2010年12月1日
Published Date 2010/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011072001
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解剖学的二重束膝前十字靱帯再建術を施行し、術後の再鏡視で再建靱帯前方に結節性病変「cyclops病変」を認めた10例10膝について、病理組織所見や臨床成績を検討した。Cyclops病変の病理組織像は血管増生を伴う膠原線維を主体とした靱帯様組織で構成され、2例では骨組織および線維軟骨を認めた。臨床所見は、International Knee Documentation CommitteスコアでA:4例、B:4例、C:2例であった。Lysholmスコアは平均90.1点、Lachmanテストおよびピヴォットシフトテストは全例陰性であった。伸展制限は6例に認め、うち2例がheel height distance 4cm以上であった。再鏡視時のcyclops病変切除により全例で伸展制限の改善を認めたが、2例で伸展制限が残存した。膝関節完全伸展位のX線像で、脛骨骨孔関節内開口部は全例Blumensaats線の延長線より後方に位置していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2010