発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006313883
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72歳女.患者は胸部CTで左胸壁下に42×21mm大の腫瘤性病変を認めた.腫瘤に対し穿刺を施行したところ膿を認め,抗酸菌塗抹,結核菌陽性で結核性皮下膿瘍と診断された.4剤による抗結核療法を開始したが,腫瘍は徐々に増大して10日後に自潰し,皮膚瘻孔から膿が流出した.切開後,ドレナージを開始し,創部の清浄を認めた後に根治手術を施行した.皮下膿瘍から胸腔内の限局性膿胸腔に通じる瘻孔を認めたため,皮下膿瘍の郭清に加えて,開胸して肥厚・石灰化した胸壁側胸膜を追加切除し,胸腔内の郭清術を行った.摘出した胸壁膿瘍は病理組織学的に乾酪壊死巣とLanghans巨細胞や類上皮細胞を認め,結核性胸壁膿瘍と診断された.術後も抗結核療法を継続し,術後第13病日目に退院となった.術後10ヵ月経過現在,膿胸と胸壁膿瘍の再発は認められていない
©Nankodo Co., Ltd., 2006