発行日 2010年5月1日
Published Date 2010/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010211531
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症例1(82歳女性)。腰痛を主訴に、単純X線にてL1圧迫骨折と診断され、入院となった。入院7日目に症状は改善し、車椅子へ移乗可能となったが、13日目に両下肢麻痺が出現し、CTにてL1椎体レベルの横断性骨折と転位、MRIでは骨折転位部での脊髄圧迫が認められた。症例2(84歳女性)。腰痛を主訴に、L1圧迫骨折の診断にて硬性コルセットを着用したが、3週後より両下肢不全麻痺が出現した。単純X線ではL1椎体レベルの横断性骨折がみられ、上位椎体が後方に転位していた。症例3(83歳女性)。腰臀部痛を主訴に、椎体圧迫骨折の疑いで入院となった。入院1週間で端坐位が可能となったが、18日目に両下肢麻痺が出現し、CTにてL2椎体レベルで転位を伴う横断性骨折が確認された。以上より、症例1と3は保存的治療が行なわれ、症例3は麻痺の改善傾向が認められたが、いずれもADLは低下した。また、症例2は後方Th10~L4椎体固定術が行なわれ、Frankel分類C1からD1へ改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2010