発行日 2010年4月1日
Published Date 2010/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010187313
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25歳男。バイクで転倒して受傷し、左腓骨骨幹部骨折にて保存的治療を受け復職したが、左足関節の疼痛・腫脹が改善しなかった。初診時、左足関節に腫脹、外果周囲に圧痛を認め、足関節の可動域は背屈が健側20°に対し患側0°、底屈が健側、患側ともに45°であった。AOFASスコアは主に疼痛の項目で低下し65点であった。単純X線では左腓骨骨幹部に骨折線があったが骨癒合しており、腓骨全長は健側に対し患側が4mm短縮していた。20°内旋位足関節単純X線では患側で足関節Shenton線の不整、内側関節裂隙の開大、脛腓間距離の開大、距骨の外反を認めた。MRIでは足関節に関節水腫を認めた。Maisonneuve骨折後に生じた腓骨回旋短縮変形と診断し、関節鏡および足関節再建術を行った。術中、足関節鏡で外側を中心に関節軟骨のfibrillationと滑膜炎を認め、滑膜切除術を行った。関節再建術はWeberらの方法を用いて行い、10°内旋、5mm延長し、骨切り部に腸骨からの骨移植を行った。術後1年の現在、左足関節の可動域は背屈10°、底屈50°に改善し、AOFASスコアは100点である。また、X線では骨切り部の骨癒合は良好で、関節症性変化は認めていない。
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